Yok Osaka

大阪市立大学建築学科 横山俊祐研究室の雑記です。研究室での現在の活動の様子について報告を逐次行っていきます。

2012年12月1日土曜日

# 76 劣化・耐震調査に参加!!

大阪の住形式の一つに木造長屋が挙げられます。
今回、大阪市北区中崎町にある長屋で、建物調査実習が行われました。
修士論文で長屋を対象としていることもあり、学生は僕のみでしたが参加させてもらいました。

内容は
⑴京都大学の藤井先生による老化(腐朽・蟻害)調査
⑵長屋の耐震性の調査 
でした。

まずは老化調査です。
藤井先生のレクチャーを受けながら進みました。
構造部材がどの程度傷んでいるのかが、特に重要とのこと。
腐朽と蟻害の2項目をチェックしました。


小屋裏も調べます。今まで、長屋の実測で小屋裏を天井から顔を出して覗くことはありましたが、今回初めて、小屋裏の中まで入ってきました!


屋根裏では雨漏りのチェックです。妻面のけらば、入り母屋の隅木周りは要注意とのこと。
また、阿倍野区界隈の長屋とは違い、太い梁ではありません。
そして、ほぞの後があり、転用材のようです。他の地域と比較してみると、阿倍野界隈の長屋の特異性が再確認できます。



屋根裏で説明される藤井先生。



 屋根裏の後は一階でも腐朽、蟻害調査です。
途中、見事な?!蟻道が発見されました!
ただ現在は蟻は居てない様子。

柱の先まで続く蟻道。


柱の内部状態を測る機器、その名も「レジストグラフ」。

柱の内部がやられているのかは、表面からでは目視できません。そこで、柱の内部状態を知る事でその柱は被害があるのかを間接的に判断するそうです。

先端に鋭敏なドリルが付いており、その抵抗値を計測できる機器を使用します。


水平、垂直を確認しています。赤い線が垂直線です。
ん、傾いているのは気のせいではなかったのか!

耐震模擬調査に、私も参加させてもらいました。壁、柱、床下など一つ一つつぶさにチェクします。
この壁の状態を、どのような状況である、と判断するのは、調査する人に委ねられる部分が多く、難しいなと感じました。

今後、この長屋は改修されます。持ち主であり、かつ設計をする竹下さんによると、ベタ基礎でいくか、支持層のある地層までの布基礎にするのかなど、今は熟考している、とのことです。

今後どのように変貌するのか楽しみです。
本日はどうもありがとうございました!

[Hay]






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